北摂いきものブログ

北摂地域(大阪府北部、兵庫県南東部)を中心に、自然で出会った仲間たちのブログです

ヤナギハムシ

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ヤナギハムシ  【Chrysomela vigintipunctata 

サイズ : 8mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 4月 ~ 7月
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まるでテントウムシのような模様をしたヤナギハムシ。

体長8mmというサイズは、ハムシの中でも大きい目の種類ですね。

その名の通り、柳の葉を食べるので、柳が生える水辺で見ることが多い子です。

逆に柳が生えている場所だと、多少郊外でも見ることがあるようです。

とても食欲旺盛で、葉をバリバリ食べます。

 

上翅には左右合わせて20個の黒い斑点がありますが、

たまに隣の斑点とつながり、ユニークな模様をした子もいます。

未成熟の時期は黄色をしており、成熟すると朱色になります。

 

 

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 2021年 5月 (大阪府豊能町

一つの枝に20頭ほどいました。

おそらく、みんな兄弟で同じ枝で孵化したようでした。

この子は右上翅(向かって左)の斑点が墨を垂らしたように繋がっています。 

 

 

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 2021年 5月 (大阪府豊能町

まだ若い個体で上翅の色が黄色っぽい。 

 

 

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 2021年 5月 (大阪府豊能町) 

それにしても、よく葉っぱを食べる子です。

 

 

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 2012年 4月 (兵庫県宝塚市

柳が芽吹き出す4月、この子達も越冬から目を覚まします。

一番成熟した時期で、身体の朱色が一番美しい時期でもあります。

ミヤマオビオオキノコ

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ミヤマオビオオキノコ 【Episcapha gorhami

 

サイズ : 10mm ~ 18mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 5月 ~ 10月
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朽ちた倒木に生えたキノコに集まるミヤマオビオオキノコ。

キノコムシの中でも大きめサイズなので、比較的見つけやすい子です。

と言っても、生えてるキノコの裏側をひとつひとつ見ないといけませんが。

それでも、北摂地域では毎年出会う子です。

とくに梅雨に入り、キノコがたくさん出てくる時期によく見ます。

 

背中のオレンジ色の模様(勝手にバッドマンマークと呼んでいます)は警戒色で、

嫌な臭いの液体を放出するカメノコテントウに擬態していると言われています。

当ブログに最初に登場したイタドリハムシ君も同じ模様ですね。

他にもヨツボシケシキスイ等、「科」の枠をこえて同様の模様を持つ種がいます。

 

正直、キノコムシの仲間はマニアックすぎて、素人には同定は困難です。(>_<)

ヒメオビオオキノコ、カタボシエグリオオキノコ、タイショウオオキノコなどなど、

見た目も生活様式も同じ子がたくさんいます。

今回も最後までタイショウオオキノコと迷いました。

でも、こんな子が森の中にひっそりと懸命に暮らしていることがわかれば十分かな。

 

 

d-jasper.hatenablog.com

 

 

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 2021年 6月 (大阪府豊能町

倒木の上を歩き回っていた子。

 

 

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 2021年 5月 (大阪府豊能町

倒木に生えた赤いキノコに来た子。毒キノコっぽいけど大丈夫!? 

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

今年初めて会った子。毎年会えるけど、その年最初の子は嬉しい。

 

 

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2021年 5月 (兵庫県猪名川町

上の写真と同じ子。

 

 

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2021年 5月 (兵庫県猪名川町

上の写真と同じ子。

 

 

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2011年 6月 (兵庫県猪名川町

梅雨のジメジメした時によく出会います。

 

 

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2011年 6月 (兵庫県猪名川町

この子と見た目がそっくりな種類が複数いますが、同定の決め手は眼と眼の距離。

それでも、自信はありませんが。。。

 

 

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2011年 6月 (兵庫県猪名川町

キノコを美味しそうに食べていました。

ムツボシタマムシ

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ムツボシタマムシ Chrysobothris succedanea

 

サイズ : 8mm ~ 12mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 4月 ~ 7月
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春先から夏にかけ、伐採木や倒木に現れるムツボシタマムシ

タマムシの仲間ですが、派手さはなく、渋く輝いている子です。

しかし、けっこうなハイスピードで歩き回ったり飛び回るので、

写真撮影には不向きな子です。(^_^;)

 

その名の通り、背中に六つの星があるのですが、

北摂地域で見かける子は、一番お尻側の2個がほとんどなく、

四つ星状態になっている子が多いです。

 

成虫は材に卵を産み付け、幼虫はその材を食べ成虫になります。

時期的にも生態的にも同じようなクロホシタマムシ

同じ場所でよく見かけます。

 

 

d-jasper.hatenablog.com

 

 

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 2021年 6月 (兵庫県猪名川町

陽が当たると、ラメみたいに輝いてとてもきれいです。

 

 

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 2021年 6月 (兵庫県猪名川町

 タマムシの仲間は眼が大きく、垂れ目っぽくて愛嬌があります。

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町) 

なかなか静止してくれない上に、すぐどこかへ飛んでいきます。(>_<)

 

 

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 2012年 5月 (兵庫県猪名川町

この子も四つ星ですね。星の場所は少し窪んでいます。

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

脚が赤っぽくてかっこいい。(^O^)

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

上の写真と同じ子。

ダビドサナエ

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ダビドサナエ   【Davidius nanus

 

サイズ : 45mm ~ 50mm
分 布 : 本州(北関東以西) ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 4月 ~ 7月
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初夏の水辺で見られるダビドサナエ。

和風な名前が多いトンボの中では珍しく西洋風な名前。

フランス人生物学者のダビド氏に因んで名づけられたようです。

 

春のサナエトンボの仲間は、なぜか地面や石や岩にとまる傾向があります。

しかも、一見しただけでは区別がつかないくらい皆よく似ているので、

捕まえてじっくり観察するか、写真を多方向から撮って後で見るしかありません。

この子は、北摂地域で春2番目に現れるサナエトンボ仲間で、

昨年紹介したタベサナエと入れ替わるように活動を始めます。

 

d-jasper.hatenablog.com

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

 眼と眼が離れているのがサナエトンボの仲間です。

ヤンマ科や赤とんぼは眼と眼がくっついてます。

 

 

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  2021年 5月 (兵庫県猪名川町

地面や岩にとまることも多く、地味な写真しか撮れない時も。(>_<)

 

 

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2011年 6月 (兵庫県猪名川町

緑色の眼は成熟した証。

 

 

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 2011年 4月 (大阪府豊能町

ヤゴから孵化したての子。

身体の色は薄く、眼はまだ茶色をしています。

2年間の水中生活を終え、これから大空に飛び立つ直前の様子。

キイロトラカミキリ

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キイロトラカミキリ 【Grammographus notabilis

 

サイズ : 15mm ~ 20mm
分 布 : 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 5月 ~ 6月
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初夏に現れるタイガースカラーのキイロトラカミキリ。

数あるトラカミキリの中で、最も「虎」らしいトラカミキリです。

北摂地域では、毎年5月中旬から1ヶ月ほどの間、

伐採木や倒木の上で大運動会をしている彼らに出会えます。

また、日中は花にも集まることもあります。

 

成虫はクヌギやコナラの伐採木を好み、

一度に大量に見ることもしばしばあります。

因みにこの黄色と黒色の模様は、細かい毛が生えています。

 

  

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

 今年は梅雨合間の晴れた日に出会いました。

通常なら、この子と会うのは梅雨前が多いのに。。。 

 

 

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 2013年 6月 (兵庫県猪名川町

珍しく動き回らず静止していた子。鮮やかな黄色が素敵です。

 

 

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 2011年 7月 (兵庫県猪名川町

記録を見返すと、撮影日は2011年7月23日。

こんな遅い時期に、この子と会ったのは、後にも先にもこの時だけです。

 

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 2011年 6月 (兵庫県猪名川町

伐採木の上にいても、黄色はよく映えます。 

 

 

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 2011年 6月 (兵庫県猪名川町

なかよし!(^O^)

 

 

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 2011年 6月 (兵庫県猪名川町

美しい黄色も、亡骸になると黒くくすんでしまいます。

短い成虫期間ですが、精一杯生きている間は輝いています。

オオシモフリコメツキ

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オオシモフリコメツキ  【Actenicerus orientalis

 

サイズ : 15mm ~ 18mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 4月 ~ 7月
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春から初夏にかけて見られるオオシモフリコメツキ。

コメツキムシの仲間でも大型の部類に入り、個体数も多く、

見つけやすい子なので、ほぼ毎年出会います。

もっとも、とてもよく似た「シモフリコメツキ」と混同している場合もありますが。

シモフリコメツキより、この子の方が名前のとおり、

若干大きくふっくらした体型をしています。

 

成虫になりたての子は、霜降模様がくっきりと出ており、

とても整然とした美しい模様をしています。

成虫の期間が過ぎるにつれ、霜降模様も不鮮明になっていきます。

 

 

f:id:D-JASPER:20210529230546j:plain 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

銅色に輝く体に、規則的に生えた灰色の毛で模様ができている。

 

 

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 2021年 5月 (兵庫県猪名川町

捕まえると、脚を体によせて死んだフリをします。

そして、最後はお得意の体パッチンで、跳ねて逃げていきます。

 

 

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2011年 5月 (兵庫県猪名川町

新緑をバックに。

 

 

f:id:D-JASPER:20210529230510j:plain 2011年 5月 (兵庫県猪名川町

上の写真と同じ子。

倒木や地面でなく、いつも葉っぱにいるイメージの強い種です。

 

 

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2011年 5月 (兵庫県猪名川町

少し毛が抜けて斑模様になってしまった。

 

 

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2011年 5月 (兵庫県猪名川町

ナガニジゴミムシダマシ

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ナガニジゴミムシダマシ 【Ceropria induta

 

サイズ : 8mm ~ 10mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州
時 期 : 4月 ~ 9月
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虹色に輝く上翅を持つナガニジゴミムシダマシ

朽木や倒木に集まる習性があり、あまり目立たない子ですが、

見つけた時は、その美しさに思わず見入ってしまいます。

 

この種は、非常によく似た外見の種類が複数います。

もしかしたら、この子達も別種かもしれませんが、

拡大した写真と、撮影地で過去に採集した標本を何度も見返し、

今回はナガニジゴミムシダマシとさせていただきました。

 

この子は、捕まえると異臭を放ちます。

美しいからといって、簡単に手を出すと嫌な思いをします。

 ↑↑

(深い意味はないです。笑)

 

異様に早い梅雨入りをした今年の日本。

ジメジメした不快な季節ですが、大喜びしている虫達もいます。

キノコやカビ類を主食とするこの子も、間違いなくその一種です。

でも、虫さん達に会いに行けなくなるので、

週末だけは雨が降らないことを祈るばかりです。

 

 

 2022年 5月 (兵庫県宝塚市

伐採木に集まってきた子。

 

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 2021年 5月 (大阪府豊能町

梅雨の合間の晴れの日、倒木に生えた苔の上を歩き回っていた。

 

 

f:id:D-JASPER:20210525224444j:plain 2021年 5月 (大阪府豊能町) 

上と同じ倒木にいた別の子。白いキノコの下から出てきた。

 

 

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 2021年 4月 (兵庫県猪名川町

枝の先端で立往生していた子。この後、ポトンとしたに落下した。(^_^;)

 

 

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2020年 8月 (兵庫県猪名川町

夕立のあと、切り株の間から顔を出した子。

 

 

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2012年 6月 (兵庫県猪名川町

なぜこんなに美しい翅を手に入れたか、虫の世界は本当に不思議です。