テングチョウ
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
テングチョウ 【Libythea lepita】
サイズ : 20mm ~ 30mm
分 布 : 北海道 ・ 本州 ・ 四国 ・ 九州 ・ 沖縄県
時 期 : 3月 ~ 11月
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
まるで天狗の鼻のような突起物を持つテングチョウ。
この突起物はパルピという器官で、どの蝶もありますが、
この子は特別長く、よく目立ちます。
北摂地域では、早春に最もよく見られる蝶ではないでしょうか。
大阪箕面市では市の蝶に指定されています。
たまに大発生する年があって、数年前、大阪北部の某ゴルフ場のバンカーは
この子達にビッシリ埋め尽くされていました。
毎年必ず出会えるテングチョウですが、とっても面白い習性があります。
実はこの子、冬眠だけでなく夏眠もします。
初夏に成虫になった子は、盛夏に夏眠をし、秋になるとまた活動します。
そして寒くなると冬眠し、早春に活動し始め産卵をします。
その後、長生きした個体は5月頃まで活動し、その生涯を終えます。
初夏に成虫になり、翌年初夏に生涯を終える・・・
ですから、この子は自分の子供と一緒に翔ぶことができる蝶なのです。
これは蝶の仲間では非常に珍しいこと。
早春の寒い時期から、地味ながら生きているこの子への
神様からのちょっとしたご褒美かもしれません。
薄暗い山道の落葉の上で息をひそめていた子。
静止していると景色に同化して、見つけるのとてもが難しい。
日当たりの良い斜面にいた子。
天狗の鼻のような突起物がよくわかります。
タテハチョウ科なので、やっぱり4本脚。
ぬかるんだ場所でストローを地面に突き刺し吸水中。
目の模様もよく見ると複雑で美しい。